【名作発掘】『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島(後編)』――これはきっと、忘れられない冒険の記憶になる。

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この記事は、『ふぁみこんむかし話 新鬼ヶ島』の後編に関する内容です。前編のお気楽さに対して、これまでの謎が解けていくまさに結末に向かっていくシリアスな展開は必見。個人的には、しばらく会わないうちに、使命を思い出して大人びた雰囲気になる女の子に、少し遅れを感じる男の子という構図がたまりません。2人の前世の関係を考えると別のハッピーエンドのカタチもあったと思うのですが、男の子に同じ過ちをくり返されないために、自分の気持ちをぐっと飲みこむラストの女の子の決断は心にくるものがあります。

さあ今宵も、歴史に埋もれしレトロゲームの魅力を紐解いていこう――。

※この記事には少しネタバレが入っています。




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『新・鬼ヶ島』後編のおはなし
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002
(竜と鬼たちによって荒らされた都へ。ひのえさまより3つの宮水探しを命じられます)

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(金太郎と再会。女の子がいる場所を教えてくれるのですが、彼は敵か味方か?)

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(おっと、ここは番町皿屋敷のようですね)

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(管理人は布袋推しですが、ゲームは氷室がポイントとなってきます)

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(都はいたるところに鬼がいるため、鬼に変装してのステルスミッションとなります)

007
(ひのえ様によって、ついに主人公が使命を帯びた理由――前世の罪が明かされていく)

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(さすがは鬼の本拠地。人々の魂を奪う銅鐸がこんなにたくさんあります)

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(ようやく再会する2人。しかし女の子は大きくなった男の子のことが分からない)

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(そして一行は、竜を封じる方法を求めて奇怪ヶ森へ)

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(大きなキノコが生えていたり、木がしゃべったりします)

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(人妻のつゆさんに恩を売っておくと、後にいいことがあります)

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(かわいいと聞いていた子雀を助けに来たのですが、いたのは生意気な雀だけ)

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(2匹目のお供、猿のまつのすけが登場!)

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(竜についてくわしく語りはじめる女の子。よく知っている彼女じゃないみたい)

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(白石の泉を探して、洞窟を探検することに)

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(たどり着いた地底湖では、おばけなまずと対面!)

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(ようやく見つけた白石の泉では、守護聖獣によって追い払われてしまう)

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(すべては贖罪の旅だった!2人はすべてを終わらせるために鬼ヶ島へ!)

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(屏風岩のときとは異なり、本格的な陽動作戦で鬼たちのスキをつく)

023
(竜に食べられる前の集められた魂たちを解放することに成功!)

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(竜王討伐のために、大空に戦う)

後編の女の子は前編とは違い、前世の記憶をとり戻しています。そのため、自分の犯した罪と使命をきちんと分かっているわけで。肉体は8歳ですが、精神は大人という状態なわけです。

で、詳細は伏せますが、二人は前世で知り合いでした。ネタバレうんぬんを抜きにして、ゲームでもくわしくは語られていないのですが、おそらく女の子は前世で男の子のことが好きで、本来は許されない一般人の竜宮城での長い滞在を許してしまった。しかしそれによって、男の子は地上に帰った時に、時間が経ちすぎていて、帰る場所を無くしてしまった。その絶望から禁忌を破って玉手箱を開けてしまったことがすべてのはじまり。

女の子は自分の思いが男の子を破滅に追い込んだことを理解しており、本当はこの時代でもいっしょにいたいけれども、自分の思いを優先させた結果、何が起きてしまったかを知っている。だから、理性的に2人はいっしょにいるべきではないと考え、別れるという選択を選んだと推測できるのではないでしょうか。

「また会えるわよ」「あなたなら強く生きていける」というエンディングでの女の子のセリフの裏に、「もう二度と会うつもりはない」「大好きなあなたの幸せを心の底から願っている」という思いを感じるとともに、「8年間本当に楽しかった」というセリフには、記憶がなかったからこそ過ごすことができたあの日々を永遠の思い出にするという意思を、大人になってからプレイしてみて感じました。

すごく切ないです。浅田次郎さんの『メトロに乗って』の終わりかたに通じる、女の懐深さを感じる物語でした。

途中の東西南北の移動やヒントが少ない展開はちょっとしんどいですけどね(笑)。

       

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