
こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、1996年12月にプレイステーション用レースゲームとして発売された『スピードキング』。これは、前年である1995年に大型体感アーケードゲーム『スピードキング NEO KOBE 2045』の家庭用移植版です。
さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。
『スピードキング』とは、どんなゲームか

『スピードキング』は、近未来の都市「NEO KOBE CITY」を舞台にしたタイヤレスのホバービークルによるレースゲームです。『F-ZERO』のスピード感と『ワイプアウト』の浮遊感を兼ね揃えた感じで、コックピットに乗ってカーブのたびにプレーヤーが大きなGを感じるというゲームでした。かつてあったコナミ直営ゲームセンター『チルコポルト』に配備されていたと記憶しています。
ナムコの『リッジレーサー2』はポリゴン描写による大迫力の架空ドリフト体験を売りにしていましたが、コナミは体感型レースゲームとして別の方向性を目指していたのかもしれませんね。
ゲームの舞台となっている「NEO KOBE CITY」は小島秀夫監督作品の『スナッチャー』の舞台となっている架空の都市です。『スナッチャー』が西暦2042年の話であり、『スピードキング』は西暦2045年の話ですので、本作は『スナッチャー』後のNEO KOBE CITYを体験できるゲームという一面もあります。
音楽を担当されるのは、MSX版『スナッチャー』『SDスナッチャー』『ソリッドスネーク メタルギア2』などの音楽を手がけてきた泉陸奥彦さん。ですので、『メタルギアソリッド』以前の小島秀夫監督作品を知る人にとっては、二重の意味で懐かしい街に帰ってきた感じがする作品です。
『スピードキング』のストーリー

西暦2045年、ネオコウベシティ。
後輩のかおり渦巻くこのサイバーシティーで人々はギリギリの危険に酔いしれていた…。その名は「スピードキング」。それは、ネオコウベシティで開催される、タイヤレスの車ホバービークルレース。死と隣り合わせの危険に快楽を求める若者が、究極のチューンナップを施し、極限のスピードを追い求めているのだ。世界有数のクライムビルとなった巨大人工大陸ネオコウベシティに咲く毒花。史上最速のカーレース「スピードキング」が、今夜もこの街でくり広げられる――!
『スピードキング』のダイジェスト




『スピードキング』の本音のところ

家庭用に移植された『スピードキング』は、正直な話、そこまで優秀な作品ではありません。俺は予約して発売日に5800円で買った記憶がありますが、初回プレイで「こりゃ、あかん」と思ったものです。
何が良くないかというと、結構いろんなところに問題があります。一番良くないのは、コースの描画が追い付いてなくて、ちょっと先のコースが表示されない、ということです。
ハイスピードレースですからね。車の運転免許を持っている人は分かると思うのですが、高速道路などハイスピード運転をするとき、ドライバーは道路のずっと先を見て運転判断をします。このゲームは、そのずっと先の道路が表示されていませんから(ハード性能の限界か?)、ヘンな話、目の前に突然現れた(表示された)道路に対して直感的な操作を行なうレースゲームになっているのです。そんなのレースゲームじゃねえ。
上級者になると、コースを覚えてしまっていて、「画面に表示されていないのは、敵の妨害が入って見えなくなっている音ゲーみたいで、むしろワクワクすっぞ!」と思えるかもしれませんが、なかなかそこまでの剛の者はいません。
あとは、浮遊感ですね。浮遊感がねえんすよ。反重力ホバー走行っぽい、フラッ、ブインッ、ギュウウウーンみたいなのがないんです。タイヤで走行しているみたいなんです。「ブイイイイーーン」というゲーム全般にわたってうるさいSEも良くないんじゃないかと思うんですけどね。
他にも、ライバル車がやる気がないとか、せっかくの高低差あるコースが活かせてないとか、ネオコウベシティらしさをほとんど感じないとか、いろいろ言いたいことはあるのですが、
結論、「『リッジレーサー』ってやっぱりすごかったんだな」と、このゲームをプレイするとすごく分かります。
じゃあ、このゲームはどうやって遊べばいいのかというと、『リッジレーサー』と比べることが間違っているんですよ。この作品は、『ワイプアウト』のような浮遊感を期待せず、『F-ZERO』よりもスピードが遅くて目に優しく、『スナッチャー』というよりは『コナミワイワイレーシング』の1人用、という心持ちでプレイするとなかなか面白いです。

この作品のゲームモードの1つに「BATTLE CPU」というのがあるんですね。こりはコンピュータ制御されたマシンと、生身の人間であるプレーヤーが操作するマシンが1対1の対決をするというモードなのですが、このときCPUが使っくる機体がコナミお馴染みの機体やキャラクターなのです。「ビックバイパー」「トライサイクル」「ツインビー」「あいつ」を操作することが出来ます。これがですね。絵として結構シュールなんですよ。
文句ばかり書いてきましたけど、BGMが最高にカッコイイのと、グラフィックも結構がんばっています。レトロゲームって、名作だけを遊んでいても面白くなくて、ちょっと出来の悪い子のほうがプレイのしがいってあるものだと思うんですよ。俺にとっての『スピードキング』は、そういうゲームですね。

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