
こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです!
今回発掘した作品は、任天堂が1986年6月にファミコンディスクシステム用アクションゲームとして発売した『スーパーマリオブラザーズ2』。あの名作『スーパーマリオブラザーズ』の続編であるものの、基本的には前作のステージを一新、追加要素をいくつか付けただけのバージョンアップ版でした。本来ならば、ディスクシステムの販売数をけん引していく役割を担っていたと思われるこの作品ですが、そこまでのパワーは発揮できなかったように思われます。それはなぜでしょうか。
さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。
『スーパーマリオブラザーズ2』とは

『スーパーマリオブラザーズ2』は、名作『スーパーマリオブラザーズ』のパワーアップバージョンです。1-1から8-4までのステージはすべて一新。全体的に難易度が高く設定されています。
プレイできるキャラクターは「マリオ」と「ルイージ」から選択でき、この2人は微妙にキャラクター性能が違います。マリオは一部挙動に変化がありますが基本的に前作と一緒。ルイージはマリオよりもジャンプ力があるものの高速移動からのブレーキが効きにくいというクセあり。しかし、ルイージはマリオとは違うルートで進むことが出来るため、キャラを変更すれば同じステージを2回楽しめる仕様になっています。
また、「?」ブロックを叩いて登場するアイテムに「毒キノコ」が登場。これは、間違って取ってしまうと、スーパーマリオはノーマルマリオにパワーダウン、ノーマルマリオは1ミスになってしまうのでご注意ください。他にも、動きの速い赤パックンフラワー、空中を飛ぶゲッソーといった新しい敵だけでなく、使用する画面のはるか上空まで飛ばされてしまうスーパージャンプ台、マリオのダッシュを助けてくれる追い風など、新しい要素がいろいろと追加されています。
しかし、前述した通り、難易度は高くなっています。スーパーファミコンに移植された『スーパーマリオコレクション』の本作のタイトル画面には「FOR SUPER PLAYERS(達人向け)」と表記されているように、前作『スーパーマリオブラザーズ』を遊びまくったハイプレーヤーたちに向けて出された挑戦状!といった作品が、本作『スーパーマリオブラザーズ2』でした。
『スーパーマリオブラザーズ2』のストーリー
キノコたちの住む平和な王国に、ある日、強力な魔法を操る大ガメクッパの一族が侵略して来ました。おとなしいキノコ一族は、皆その魔力によって岩やレンガ、つくし等に姿を変えられてしまい、キノコ王国は亡びてしまいます。キノコたちにかけられた魔法を解き、よみがえらす事ができるのはキノコ王国のお姫様ピーチ姫だけ。彼女は今、大魔王クッパの手中にあります。マリオは、カメ一族を倒してピーチ姫を救出し、再び平和なキノコ王国を築くために立ち上がりました。テレビの中のマリオはあなたです。このアドベンチャークエスト(遠征)を完結できるのは、あなただけなのです。
『スーパーマリオブラザーズ2』のスクリーンショット







『スーパーマリオブラザーズ2』の魅力

『スーパーマリオブラザーズ2』の魅力は、ズバリ、「違和感を楽しむこと」だと俺は思います。普通に遊ぶなら、「高難易度の新コース攻略」を楽しむことになると思うのですが、大人のゲーム趣向はもう少し思考を深くして目の前のものを見るところからはじまる、と俺は思っています。
そもそも、『スーパーマリオブラザーズ2』はこのような達人向けの難しい作品になってしまったのでしょうか。それは、前作『スーパーマリオブラザーズ』が「ゲームクリアすることではなく、ゲームクリアまでの過程を楽しめるゲーム」だったことが大きく関係しています。くわしいことは、下記『スーパーマリオブラザーズ』のゲームレビュー記事を読んでください。

つまり、『スーパーマリオブラザーズ』はクリアするだけでなく、マリオを動かしていろいろと遊べるゲームでした。そして、他にこれほどロングスパンで遊べる作品が他になかったため、遊びつくされたゲームでもあったと推測されます。ゆえに、続編では「より長期間、もっといろいろ遊べること」が求められていたと思うのです。
こう考えると、基本は『スーパーマリオブラザーズ』と同じでありながら、全てのステージが一新されていること、難易度が上がっていること、プレイアブルキャラクターが増えていること、新しい敵やアイテムが登場している意味が見えてくると思いませんか。『スーパーマリオブラザーズ2』は前作『スーパーマリオブラザーズ』よりも「より長期間、もっといろいろ遊べる『スーパーマリオブラザーズ』」を目指して作られていると考えられます。しかし、そうはなりませんでした。その理由はカンタンです。『スーパーマリオブラザーズ』の良さは、ゲームが上手くない人でもそこそこ遊べてしまう懐深さでした。本作は全体的な難易度を上げてしまったことで、楽しめる人が少ないゲームにしてしまったのでした。
誤解のないように言っておくと、より高難易度のステージで遊びたいという人はいました。かくいう少年時代の俺もその一人です。しかし、その層はメジャー層ではなかったのだと思います。
おそらく、任天堂としては本作は実験作という意味合いがあったのではないでしょうか。『スーパーマリオブラザーズ』よりも「より長期間、もっといろいろ遊べる『スーパーマリオブラザーズ』の制作は手探りだったのでしょう。これくらいの作品にも多くの人たちが付いてきてくれるという目論見は外れてしまったと思うのですが、さらなる続編である『スーパーマリオブラザーズ3』では、再び多くの人が遊べる作品として立て直され、それは以降のシリーズにも受け継がれていくことになります。そういう意味では、「大きな学びを得た失敗作」だったと言えるかもしれません。
で、俺は「違和感を楽しめ」という話をしたと思うのですが、ここまで書いてきた通り、『スーパーマリオブラザーズ2』 は『スーパーマリオブラザーズ』であることが求められつつも、同時に『スーパーマリオブラザーズ』とは違うことが求められた作品でもあるわけです。そうやってこの作品を見ると、本作の前作からあまり変わっていないと思われる点や前作では絶対にありえない点が、人気と時代に翻弄された副産物と見えてきて、なかなか趣深いものがあるわけです。
ただ難しいだけのゲームではないと思うんですよね、『スーパーマリオブラザーズ2』って…というお話でした。
『スーパーマリオブラザーズ2』で遊ぶ方法
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