【名作発掘】『スーパーマリオワールド』(スーパーファミコン)――スーファミ同時発売ソフトなのに驚きの完成度!それゆえに2Dマリオの歴史を止めた作品でもあるかも!

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こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです!
今回発掘した作品は、任天堂が1990年11月に発売した、スーパーファミコン用アクションゲーム『スーパーマリオワールド』。スーパーファミコンの本隊同時発売ソフトだった本作は、ゲームを売っているお店にはスーパーファミコンのデモ機とこの作品のサンプルが設置されていて、その画像の美しさにゲームキッズたちは心を奪われ、「よしっ、クリスマスのプレゼントに買ってもらおう!」と心躍らせたものです。当時の俺はMSX一神教の敬虔な信者だったのですが、やはり『スーパーマリオワールド』は気になる作品でありました。

さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。

『スーパーマリオワールド』とは

『スーパーマリオワールド』は、前作『スーパーマリオブラザーズ3』をもとに、スピンジャンプやヨッシーへの騎乗といった新しいアクションを追加し、幅広い人たちに楽しめる難易度と、やり込みたいコアゲーマーに期待にも応える懐深さを兼ね備えた、非常に完成度の高いゲームです。

『スーパーマリオワールド』は、スーパーファミコン本体と同時発売のゲームです。そして、シリーズ作品ということもあり、前作と比べられやすく、任天堂としてはスーパーファミコンの凄さを伝えるゲームにしたいわけで、かなりのプレッシャーをかけられたと推測されます。しかし、任天堂(宮本さんかな?)の凄いところは、この低くはないハードルを超えてくる。ユーザーを想像よりも高く超えてくる作品を作ってくるんですね。ニンテンドウ64における『ゼルダの伝説 時のオカリナ』がそうであったように、本作もゲーム史に『スーパーマリオワールド』の前か後かといわれるように、家庭用アクションゲームのカタチを一歩進めた作品だったと思います。

『スーパーマリオワールド』は、とにかく絵がキレイです。ここでいうキレイというのは写実的とかドットテクニックとかの話ではなく、スーパーファミコンのグラフィック能力を活かして可愛らしい世界観を描けるという意味でのキレイです。完璧なスーパーマリオっぽい世界観が作られており、スーパーファミコン本体同時発売のゲームなのに、完成形を見せつけられたような出来でした。

なぜ、ここまで俺がグラフィックのことを語っているのか。それには意味があります。本作は明確な意図をもってグラフィックを強化しているからです。前作『スーパーマリオブラザーズ3』の画面と比べてみるとよく分かるのですが、本作はキャラクターをこれまで以上に可愛く描いています。なぜか。おそらく「見ていても楽しめるもの」を目指したと推測します。その理由は、本作がスーパーファミコンの性能をアピールするデモとして使われることもあったと思いますが、さらなる新規ユーザー獲得(女性?)のために“可愛さ”を出したのかもしれません。

いずれにせよ、今日の任天堂のキャラクタービジネスの転換期は、スーパーファミコンとこの『スーパーマリオワールド』だったのではないかと思います。

『スーパーマリオワールド』とのストーリー

キノコワールドの平和を取り戻したマリオとルイージの2人は、ピーチ姫とゆっくりバカンスを楽しむため、はるか南の不思議な島国、『恐竜ランド』のヨースター島へと旅立ちました。ところが、島に着いて間もなく、ピーチ姫が突然姿を消してしまったのです。必死で島中を探しまわる2人は、やがて島のはずれで不思議な卵を発見します。じっと見つめる2人の目の前で、卵の中からでてきたのは奇妙な姿のドラゴンでした。

『ヨッシー』と名乗る、そのドラゴンはマリオ達に話かけました。

「最近この恐竜ランドに、カメの姿をした化け物が現れて、魔法でボクの仲間達を卵の中に閉じ込めてしまったんです。ボクは仲間を助けに行こうとしたんですがやつらはとても強くて、結局ボクまで魔法をかけられてしまいました……。お願いです、ボクといっしょに仲間を助けに行ってくれませんか?」

何ということでしょう。大魔王クッパは全然こりていないようです。きっとピーチ姫はクッパの手下にさらわれたのでしょう。こうして2人は、ヨッシーの仲間とピーチ姫を助けるために、新たな冒険を始めることになったのです。

『スーパーマリオワールド』のスクリーンショット

『スーパーマリオワールド』の魅力

『スーパーマリオワールド』の魅力は、「取っつきやすさ」だと俺は思います。

前作『スーパーマリオブラザーズ3』が「スーパーマリオの面白さを再確認しつつ、アクションゲームとして新しい広がりを作った作品」だったのに対して、本作『スーパーマリオワールド』は「前作の良さは活かしつつ、複雑な部分は極力シンプルにして、下手な人でもそれなりに楽しめる作品」なのかなと感じました。ステージクリアするだけならゲームが下手でもできる。でも、隠しルートなどを見つけるには相応のテクニックが必要。そんな感じなんですよね。

シリーズで初めてセーブ機能がついたことも大きいですね。ステージ途中からやり直しができる通過ポイントの設置、マントマリオやファイアマリオがやられた時にスーパーマリオに戻る仕様、パワーアップアイテムのストック、ヨッシーの登場などなど、難易度を下げる仕様が多く含まれました。また、ライトユーザー向けの仕掛けとしては、ゲームのヒントをくれるメッセージブロックの登場にも注目したいですね。叩くとヒントメッセージが表示され、ゲーム進行が一時ストップになります。テンポが崩れるのを制作者が嫌がるのがアクションゲームの常識だったのですが、進行がストップしても成立するようなゲームになっています。

エリアボスであるコクッパとの戦いも、過去作のように同じような戦闘がくり返されるのではなく、1つひとつがオリジナリティにあふれるものに。これは、以降のシリーズに引き継がれていきます。

レトロゲーマーとしてスーパーマリオシリーズを追っていく上で、『スーパーマリオワールド』は1つの到達点であり、シリーズの転換期を作ることになった作品と言えるでしょう。もっともその完成度の高さから、続編を作る理由を奪ってしまったのも事実であり、スーパーファミコンでは『ヨッシーアイランド』という新しいアプローチの作品になってしまい、2Dマリオの新作はニンテンドーDSの『NEWスーパーマリオブラザーズ』まで待たなければなりませんでした。

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