【優子発掘】『ヴァリスII』(PCエンジン)――麻生優子、女子高生、職業:ヴァリスの戦士!CD-rom2で華麗に登場!

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こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンスです!
今回発掘した作品は、1989年6月に日本テレネットからPCエンジンCD-rom2用アクションゲームとして発売された『ヴァリスII』。原作は、PCで発売されていたアクションゲーム『夢幻戦士ヴァリス』であり、同時期にPC版の続編『夢幻戦士ヴァリスII』も発売されるのですが、本作はPCエンジンオリジナルストーリーであり、一応別物です。CD-rom2の性能を試す意味合いで、CD-rom2の大容量を活かした演出が特徴的な作品でした。今回は、『ヴァリスII』(PCエンジン)はどんな作品だったのか、我々は今本作とどう向き合うべきなのかについて、いろいろと語っていきたいと思います。

さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。

『ヴァリスII』(PCエンジン)とは

『ヴァリスII』(PCエンジン)は、女子高生・麻生優子を操って敵を倒していくサイドビューアクションゲームです。優子の武器は「ヴァリスの剣」という剣なのですが、これを使って斬るわけではなく、振ったことで発生する弾(エネルギー派)を敵にぶつけて倒していく感じです。現実世界ステージではセーラー服、異世界に行ってからはビキニアーマーで戦います。

ステージ内にはアイテムが落ちており、これは取っておけば優子に有利なことばかり起こるのでとりあえず取っておきましょう。もう少し細かく説明をすると、アイテムには、攻撃力や攻撃方法を増やすオフェンスアイテムと、防御系の効果が出るディフェンスアイテム、特殊攻撃が可能になるスペシャルアイテム、1UPや体力回復が出来るアナザーアイテムの4種類があります。前述した通り、くわしい効果は取って見れば大体分かるので、アイテムを見つけたら基本的に取っていきましょう。

ステージの途中には中ボス、ステージ最後にはボスキャラが待ち構えています。ステージをクリアすると、声優さんの声がついたビジュアルシーンが挿入され、現在何が起きているのか、これから何をしなければならないのか、ドラマチックに語られていきます。

なので、本作の正しい遊びかたは、ビジュアルシーンで語られるドラマに一喜一憂するほど没入すること。ぶっちゃけ、そうしないと面白くありません。

『ヴァリスII』(PCエンジン)のストーリー

かつてヴァリスの戦士となった優子によって夢幻王ログレスは倒された。これにより暗黒界ヴェカンティの進撃は終わり、夢幻界に平和が訪れる。優子は現実世界リアリティに戻り、普通の高校生活を送っていた。すべては夢であったかのよう。しかし、ログレスの戦士として死んだ麗子がいない事実が、あの戦いが本当にあったことを優子に突きつけていた。

ある日、いつも通りに学校を終えて帰宅していた優子のもとに、怪しい人影が迫る。その気配はかつて戦ったログレスの配下たちの者だった。戦いは終わっていなかったのか。優子はヴァリスの剣を握り、異界の兵士たちとの一戦を交える。その者たちはヴァリスの剣を欲していた。ログレス亡き後、封印を解かれた幻夢皇帝メガスが、軍勢を率いてログレス配下の残党狩りを行なっているという。

優子の前に、麗子の霊体が現れて警告する。「優子、夢幻界に急ぐんだ。メガスの軍勢が夢幻界のヴァリアの城も襲撃している」と。そして優子は、自分がヴァリスの剣に選ばれた理由、自分が為すべき使命を知り、再び夢幻戦士となって戦場を駆ける――。

『ヴァリスII』(PCエンジン)のスクリーンショット

『ヴァリスII』(PCエンジン)の魅力

PCで出た『夢幻戦士ヴァリス』は「ギャルゲーの元祖」などとして語られることがありますが、『夢幻戦士ヴァリス』をきちんと知るためには当時の時代背景を知る必要があります。1970~1980年代の日本は経済大国と呼ばれ、非常に物質的に豊かでした。しかし、そうなると精神的なものへの回帰心理が生まれ、オカルトブームがありました。1980年代になるとそれは収まってくるのですが、余波みたいなもので、平和な日常が異世界からの干渉によって壊される系の物語が人気を得ます。いわゆる異世界召喚モノというやつで、分かりやすい作品を挙げると『聖戦士ダンバイン』です。そのような流れの中で、女子高生が異世界に行って、ビキニアーマー姿で超常的な力を発揮して、大活躍するOVAが登場します。これが『幻夢戦記レダ』です。主人公・朝霧陽子が異次元世界アシャンティに迷い込み、女神レダの力を受け継ぐレダの戦士となって戦う話なのですが、『夢幻戦士ヴァリス』がこの作品の影響を多分に受けていることは間違いありません。

『夢幻戦士ヴァリス』も『ヴァリスII』も、ステージ1は現代の東京であり、優子はセーラー服姿で戦います。わざわざセーラー服のキャラクターデータを用意して、現実世界ステージを作っているところに、制作者のこだわりを感じずにはいられません。本当はすごい力を持った戦士が、この現実世界では一般人を装っているものの、異世界からの敵が現れたら一般人の姿のまま激しい戦いに身を投じる――「このシチュエーションがいいんだよ!」というのが制作者のメッセージでしょう。『Fate/staynight』の魔術師たちが昼間は学校に通いながらも、夜は魔法を駆使した命の取り合いをしているみたいな。日常を侵食する非日常がキモなわけです。

そして、日常パートを描いたことにより、ステージ2以降、ビキニアーマーを着てもプレーヤーには麻生優子は女子高生であることが印象付けられているわけです。それはつまり、女子高生がビキニアーマーをつけているわけであり、ビキニアーマー姿で飛んだり跳ねたり、プレーヤーの思いのままに動かせるってこと。これが『夢幻戦士ヴァリス』のエポックメイキングなところなわけです。女子高生の戦士を自由自在に動かせる。これは、キャラクターメイキングのあるゲームで自分のキャラは女性キャラにする心理、そのキャラを動かして楽しい心理と同じです。その女の子が、厨二病が大好きな異世界の戦士&異世界では無双状態という設定を背負っているわけであり、ここのところが『夢幻戦士ヴァリス』の操作していて楽しいところであり魅力なんじゃないかなーと俺は思いました。

大事なことなのでもう一度言いますが。女子高生設定の戦士を動かすゲームではなく、女子高生が戦士として活躍するゲームにしているところが、『夢幻戦士ヴァリス』のやべえところなわけです。

で、本作『ヴァリスII』は、その女子高生・麻生優子のイメージをより強くするために声優さんの声がつき、厨二病的な世界観にどっぽり浸かるためにビジュアルシーンが付いた強力な続編なんですね。ぶっちゃけ、アクションゲームとして見たらそんなに特筆するところはないんですよ。敵が画面に現れてからの対処では絶対にダメージを受けてしまうので、敵が出現するところを覚えておき、敵が現れたと同時に殲滅する。そうでないとステージ最後までたどり着けないパターン覚えゲーです。それが、厨二病的な世界観にどっぷり浸かって、女子高生の戦士を自由に操る楽しさを自覚すると、アラ不思議、唯一無二の楽しいアクションゲームになってしまうのです。

本作が好きな人の中に、ヒロイン麻生優子が嫌いという人に会ったことがありません。なぜなら、優子を操作してステージをクリアしていくゲーム体験は、なんともいえない愉悦を与えてくれるからです。本作以降、PCエンジンでは『ヴァリスIII』『ヴァリスIV』と続編が作られていきます。しかし、アクションゲームとしての完成度が上がっていくのに、何か物足りなさを感じてしまう。その正体は何かというと、主人公の「女子高生要素」ではないかと俺は思っています。我々の想像以上に「女子高生」という属性は心にズンッとくる萌え要素なのではないでしょうか。

何はともあれ、鍋島修さんのキャラクターデザインと島本須美さんが声優を務めている麻生優子さんは控えめに言って最高ですよね。ぐへぐへ。

あなたの心には何が残りましたか?

『ヴァリスII』(PCエンジン)で遊ぶ方法

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