
こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、1990年9月に日本テレネットから発売されたPCエンジンCD-rom2用アクションゲーム『ヴァリスIII』。これは、以前紹介したPCエンジン版『ヴァリスII』の続編であり、事実上のシリーズ完結編になります。前回、ゲームについてほとんど評価せず、ヒロインの麻生優子=女子高生ウェーイしか語らなかった俺ですが、本作はアクションゲーム部分が大幅に改良され、PC版『夢幻戦士ヴァリス』の悪い慣習を断ち切り、コンシューマオリジナルシリーズとしていい感じに進化した作品となっていると高く評価しています。まあ、お話としては本作が完結編(みたいなもの)なのですが。
さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。
『ヴァリスIII』(PCエンジン)とは

『ヴァリスIII』(PCエンジン) は、横スクロールアクションゲームです。武器を使っての「攻撃」と「ジャンプ」をIIボタンとIボタンで行ないます。本作から新しく実装されたのが「スライディング」。下ボタン+RUNボタンで発動するスライディングは、狭い通路移動や幅の広い落とし穴の空中移動だけでなく、下段に群がる敵への攻撃にも使える代物で、これが上手く使えるようになるとダメージを受ける確率を大きく減らすことが出来るのでバンバン使っていきましょう。
本作から導入されたのが、プレーヤーチェンジです。前作までは優子でしかプレイできませんでしたが、本作からは魔界のムチ使いチャムと、魔法使いキャラのヴァルナも使用可能に。それぞれのキャラには攻撃方法や性能に違いがあり、上手く使い分けて進めていく面白さがあります。ボス戦前の会話も使用キャラクターによって異なるという凝りようです。こんなことを言ってしまうとアレなのですが、『悪魔城伝説』の女の子版という感じに進化しました。
そうそう、上ボタンとIIボタンを押すとMPを消費して特殊攻撃を放てます。特殊攻撃は「火」「氷」「雷」という属性があり、事前に取ったアイテムで属性が変わります。『雷電』や『究極タイガー』のパワーアップみたいな感じです。キャラクターによって攻撃方法が大きく変わるため、キャラチェンジと特殊攻撃はバンバン使って特性を見ていった方がいいと思います。
PC版『夢幻戦士ヴァリス』は、お世辞にもアクションゲームとして優秀な作品ではなく、前作『ヴァリスII』もPC版のゲームシステムを色濃く引き継いでいたため、面白いアクションゲームとは言えませんでした。しかし、本作『ヴァリスIII』では家庭用ゲームとして大きな見直しが図られており、アクションゲームとしてかなり遊べるものに生まれ変わりました。ゲームの難易度もそれほど難しくなく、アクションゲームとしてはぬるい部類に入ってしまうかもしれませんが、逆に言えば多くの人たちに楽しんでもらえる作品とも言えます。
ビジュアルシーンも、前作よりも絵のサイズが大きくなり、要所要所できちんと動き、確実にパワーアップしています。個人的にはシリーズ最高傑作と言いたい作品です。
『ヴァリスIII』(PCエンジン)のストーリー

幻夢皇帝メガスを倒し、再び平和が訪れたかに思われた。しかし、魔界にかつてない危機が訪れようとしていた。魔界があ空間に飲み込まれようとしていたのだ。このままでは魔界に住む者たちは全滅してしまう。メガス亡き後、魔界をまとめていたグラメス王は、自分たちが生き残るために、夢幻界と人間界に移住することを決意。そこで発生する争いに対して武力で制圧――事実上の侵略戦争を仕掛けようとしていた。
魔界にもグラメスを諫める存在はいた。鬼族の司祭長ラダもその一人だった。しかし、異を唱えたラダはグラメスに殺害。その知らせを受けたラダの娘であるチャムは、グラメスに対抗するべく、人間界にいるヴァリスの戦士優子のヴァリスの剣を借りるために人間界に向かう。
チャムがヴァリスの剣を狙う理由。それは、グラメスが強大な力を持つレーザスの剣を所有しており、レーザスの剣に対抗できるのは対の存在であるヴァリスの剣だけだったからだ。一方、グラメスも侵略によって夢幻界や人間界に侵攻すれば、いずれヴァリスの戦士と対峙することは分かっていた。そこで、先遣隊を人間界に送り込み、チャムの妨害と優子の抹殺を企てる。
夜中、目を覚ました優子は、何者かにヴァリスの剣が奪われたことに気が付く。不審者を追っていくと、そこにはチャムとグラメスの配下の者が争う姿が。混乱の中、ビルから落ちていくヴァリスの剣。優子は迷うことなく屋上から飛び降り、空中でヴァリスの剣を手にすると力を解放。ヴァリスの戦士となって、都心の大空を駆けあがっていく!

『ヴァリスIII』(PCエンジン)のスクリーンショット






『ヴァリスIII』(PCエンジン)の魅力

『ヴァリスIII』(PCエンジン)の魅力は、「まともに遊べるギャルゲーのアクションゲーム」という点ではないだろうか。ドット美少女が出てくるゲームは他にも本作の前に存在したが、可愛い女の子たちがビジュアルシーンで人気声優さんによって命を吹き込まれ、プレイアブルキャラクターとして操作ができ、そこいらの良作アクションゲームと同レベルのクオリティを誇ってきた、それが『ヴァリスIII』(PCエンジン)の衝撃だった。
そのため、1990年代、本作はひと昔前のPCエンジンCD-rom2ソフトにも関わらず、かなり長い期間、値段が崩れませんでした。『スーパーダライアス』と同様に、PCエンジンCD-rom2ソフトの名作として語り継がれていたのです。
これは厳しめの意見になりますが、アクションゲームとしては正直まだまだ甘いところはあると俺は思ってます。似たようなゲームシステムである『悪魔城伝説』に比べると、各キャラクターの性能にもっと差があったほうがいいと思うし、ボスキャラもアクション性を考えて力押しが通用しない難しさがあっていいと気もします。でも、アクションゲームが苦手な人のキャラクター性能を考えた戦い方や力押しでも、そこそこ先まで進めるゲームという“やさしさ”こそ、この作品の魅力でもあると思うのです。
前作『ヴァリスII』もそうでしたが、本作は前作以上にまるでOVAを一本見ているかのように、ドラマとゲームが見事に融合しています。そして衝撃のラスト。りりしくも儚げな麻生優子が世界のために下した決断とは。彼女が何を考え、その答えに行き着いたかは、シリーズを通してプレイしていくと見えてくるかもしれません。
『ヴァリスIII』(PCエンジン)で遊ぶ方法
▼プロジェクトEGGでも遊べます▼
遊び方を知りたい方はこちら(↓)の記事を参考にしてみてください。

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