
こんにちは、レトロゲームレイダー/ジョーンズです。
今回発掘した作品は、1994年3月にコナミからメガドライブ用ホラーアクションゲームとして発売された『バンパイアキラー』。悪魔城ドラキュラのようでいてタイトルにその名を冠されることのなかったこの作品は、それゆえシリーズの固定観念に縛られることなく、新しいゲーム性を広げることができたと思います。ソフトのプレミア化が進み、長年、幻の作品と言われてきた本作ですが、近年ではメガドライブミニや悪魔城ドラキュラアニバーサリーコレクシヨンに収録されるなど、手軽に遊べるようになりました。
さあ、今宵も、歴史に埋もれし、レトロゲームの魅力を掘り起こしていこう――。
『バンパイアキラー』とは

コナミがメガドライブで発売したアクションゲームです。当時、コナミはメガドライブにそこまで力を入れている感じではなくて、ソフトのリリースも1992年~1994年の2年間、リリースした作品も10作品程度だったと記憶しています。有名な話で、「コナミがゲームセンターの大人気シューティングをメガドライブに移植!」というので「グラディウスIIが来るのかな?」と思っていたら『リーサルエンフォーサーズ』(ガンシューティング)だった…なんてこともあり、ラインナップも海外向けっぽい作品ばかりで、一見するとイマイチな感じがしてしまいます。
ところが、それらのソフトのほとんど(全部ではない)は、高い技術力とギンギンのセンスをぶち込んだ傑作であり、メガドライブファンからの評価はとても高い作品ばかり。その証拠に、コナミのメガドライブソフトのプレミア率も高いです。そして、今回ご紹介する『バンパイアキラー』も、そんな作品の1つなのでした。
『バンパイアキラー』のストーリー

舞台は1917年。世界は第一次世界大戦を迎えていた。しかし、世の中の人々は知らない。セラエボでの一発の銃声から始まったこの戦争が、実はエリザベート・バートリーという吸血鬼によって起こされたもので、その目的がヨーロッパ中の戦死者の魂を集めて、過去最大規模のドラキュラ復活を狙ったものであることを。

しかし、もう立ち向かうベルモンド一族はいない。リヒター・ベルモンドの堕落によって権威を失墜したベルモンド一族は、聖鞭バンパイアキラーをバンパイアハンター、キンシー・モリスに継承していたのだ。そしてキンシーは1897年にドラキュラを倒したはずだった。

魔王ドラキュラ伯爵復活の報を受けて、2人の男が立ち上がる。1人は、キンシー・モリスから聖鞭バンパイアキラーを受け継いだジョニー・モリス。もう1人は、ジョニーの親友であり、アルカードから英才教育を施された槍の達人エリック・リカード。かくして、人類未曾有の世界大戦を裏で、過去最大の吸血鬼戦争がはじまろうとしていた。
『バンパイアキラー』の魅力

ひと言でいうと、『悪魔城』の呪縛から解放されて、メガドライブのパワーをフル活用した何度でも遊びたくなる傑作アクションゲームです。
ストーリーで解説した通り、本作はこれまでの悪魔城ドラキュラシリーズとは異なり、「悪魔城でドラキュラを倒す話」ではありません。悪魔城はステージ1で登場し、その後はヨーロッパ各国を回っていくという展開になります。つまり、戦いの舞台は悪魔城を超えてヨーロッパ全土に広がっているのです。これによって何が起きたのか。それは、「悪魔城」に囚われないステージ構成、敵の攻撃、ステージギミックが可能になったんですね。例えば、悪魔城があるのはルーマニアですから、ステージも敵もギミックもルーマニアっぽいもの、ドラキュラ城っぽいものを出さないと「?」となってしまうわけです。ところが、本作ではこの枷が外されたことで、これまでのドラキュラっぽくないステージ構成、敵の攻撃、ステージギミックが組み込まれているわけです。

ステージ2のATLANTIS SHRINE(アトランティス神殿)は顕著です。いきなり水没しかかっており、海面がグングンと上に下へと動くところからはじまり、ミノタウロスなどのギリシャっぽい魔物が現れます。巨大すぎるミロのヴィーナス像はアタマを攻撃して首を落として進み、水没によって上へ上へと進まなければならない強制スクロールの神殿もあれば、逆に水が引いていき下へ下へと進まなければならない強制スクロールの神殿もあります。
敵もメガドライブの伝統、多関節ですばやくウネウネ動くものが多く、特に『バンパイアキラー』では、これまでのドラキュラシリーズに出てこなかった(そしてこの後も出てこない)ボスキャラが多いです。それだけ本作が特殊というかオリジナリティ溢れているということなのでしょう。
初代『悪魔城ドラキュラ』から受け継がれている伝統の1つ、プレーヤーに「この先にはどんなステージが待ち構えているんだろう」とワクワクさせることは、本作でも舞台となるステージの国、文化、遺跡をモチーフにしたステージ構成、敵の攻撃、ステージギミックというカタチで受け継がれています。

プレーヤーキャラクターに、従来通りのムチ使いであるジョニー・モリスだけでなく、槍使いのエリック・リカードがいる点も特長です。エリックの槍は、ムチ同様に左右に攻撃できるだけでなく、上や斜めにも攻撃が可能。しかし、ムチよりも攻撃モーションが遅いという欠点があります。また、槍を使ってショニーとは違うルートで攻略するステージも存在。2人のキャラクターを使って2倍楽しめるのも本作の魅力といえるでしょう。
『バンパイアキラー』のダイジェスト








レトロゲームとしての『バンパイアキラー』

前述した通り、『バンパイアキラー』は中古ソフトのプレミア化に伴い、なかなかプレイできないソフトになっていました。しかし近年、PS4、Xbox ONE、ニンテンドースイッチ、steamで発売されている悪魔城ドラキュラアニバーサリーコレクションに収録されていたり、メガドライブミニに収録されたことにより、比較的プレイしやすくなっています。プレミア化してしまった背景には、発売当初の市場出回りの本数とマニアが手放さないことによね中古市場への流出数が少ないことが関係していると思いますが、本作のそれはまさに「持っておきたい1本」と思われる作品の完成度にあるのではないでしょうか。
悪魔城ドラキュラシリーズを追う上でも、本作は聖鞭バンパイアキラーがベルモンド家から一度離れている謎の時期と、ユリウス・ベルモンドによる最終決戦の間にあたる物語という点でも、押さえておきたい作品です。物語的な続編として、『悪魔城ドラキュラ ギャラリー・オブ・ラビリンス』があります。この作品は、ジョニー・モリスの子であるジョナサン・モリスが主人公の悪魔城探索RPGなのですが、『バンパイアキラー』で描かれている戦いがいかに過酷であったか、そしてその勝利も無傷ではなかったことが明かされるので、こちらもぜひ楽しんでいただきたいと思います。
ウラ技
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この作品で遊ぶ方法

現行機で手軽に遊ぶには、ダウンロード専用の『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』がオススメです。PS4、Xbox ONE、steam、ニンテンドースイッチ版があるので、お好きな環境でお楽しみください!
また、下記のような方法で遊ぶことも可能です。
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