【レトロゲームと俺物語】『ワンダーモモ』と、男子高校生と、哀と青春の旅立ちの話。

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人類で一番バカなのは、男子高校生だと思います。恥の多い人生を歩んできた俺ですが、やはり男子高校生時代が一番アタマが悪かったような気がする今日この頃です。

中学生時代のほとんどをMSXに捧げた私は、スーパーファミコンも、メガドライブも、PCエンジンにも疎い状態で高校に入学し、家庭用ゲーム機を持っている悪い友人たちの家に入り浸り、急速に自分に足りていなかったゲーム知識を吸収するのでした。

そして、親に内緒でPCエンジンDUOを買います。PCエンジンDUOは、PCエンジンのHuカードゲームと、PCエンジンSUPER CD-rom2のゲームの2つを遊べる夢のハードであり、お値段はそれなりにしたのですが、それに見合ったゲームライフが約束されていました。

しかし、賢明なる読者のみなさんならば、 スーパーファミコン、メガドライブ、PCエンジンと並んでいて、なぜPCエンジンを選んだのか?と疑問を持たれることでしょう。PCエンジンDUOを買うだけの予算があるのなら、スーパーファミコンとメガドライブが買えたのではないのかと。おっしゃる通りです。しかし、男子高校生の俺は、PCエンジンDUOを買いました。なぜなら、

PCエンジンにはギャルゲーがたくさんあったから。

スーパーファミコンの『ナージュ・リーブル』の女の子はイマイチ燃えなかったし、メガドライブの『ゆみみみっくす』や『シルキーリップ』は俺にはパンチが弱かった。もっと、こう、ムンムンとした感じのギャルが出てきたのは PCエンジンだったのです。最悪、ゲーム性なんてどうでもよくて、ドットで描かれたかわいい女の子のあられもない姿が見られれば良い。

当時、俺はラジオドラマ『ツインビーPRADISE』のリスナーだったわけですが、パーソナリティの国府田マリ子さんのどこが好きかという話で「スリーサイズ」と答えたほど。みんなの人気者マリ姉を性的な目でしか見ていない。こんなふうに、男子高校生とは性欲に振り回され、とてもとてもアタマが悪い生き物なのです。

そんなPCエンジンをこよなく愛する男子高校生たちの間で、ひときわ高い評価を誇っていたのがナムコでした。「えっ、ナムコ?」と思った人は勉強不足です。PCエンジンでナムコはHuカード用ソフトしか手がけていませんし、ギャルゲーは作っていなかったのですが、移植されたアーケード作品になぜかくっそエロいオリジナル要素をぶち込んでいたのです。

代表的なものいえば、『妖怪道中記』の竜宮城でしょう。

カメを助けて、竜宮城に案内されると、なぜか、乙姫様のストリップショーがはじまるのです。画面全体が真っ暗になり、円状に空いたスポットが画面を所狭しと動き回り、画面の中心に来た時に、一瞬、チラッと乙姫様のハレンチなドット絵が見えるのです。本当にチラッと。くっそ、エロいぞ。

しかし、 『妖怪道中記』 よりも俺たちの心を掴んだのは『ワンダーモモ』でした。

『ワンダーモモ』はアーケード版よりも敵キャラやステージが削られたり、モモがしゃべらなかったりと、いわゆる劣化移植だったのですが、数ステージごとにモモの一枚絵グラフィックが表示されるというオリジナル要素が追加されていました。最初はブレザー姿、次は水着、そして入浴…。どんどん露出が増えていくので、さらに先のステージに進めば、もっとヤバイモモの痴態…いや肢体が見れる!と、信頼できる情報筋が語っていたという話を聞いたことがありました。

噂では用意されているグラフィックは、ローションにまみれるモモとも、触手に捕まっているモモとも、オールヌードでベッドに寝転がっているモモとも、いやいや、そのすべてが収録されているというウワサも。

男子高校生たちはロマンを追い求める。世はまさに大ワンダーモモ時代。しかし、PCエンジン版の『ワンダーモモ』の難易度はとても高く、もっと言えば、そんなにゲームも面白くなく(主観です)、PCエンジンをこよなく愛する男子高校生たちのワンダーモモ攻略戦はフェードアウトしていき、俺たちは大学受験シーズンを迎えるのでした。

大学受験を控えた正月。俺はPCエンジンをこよなく愛する男子高校生の1人、“麻雀クリニッカー”のカツに呼び出されました。彼はアーケード版の『麻雀クリニック』のエロさに心を奪われ、勇んでPCエンジン版を買ったものの、内容が全く違ったので嘆き悲しみ、大学生になったら高額バイトをしてアーケード版『麻雀クリニック』の基板を買うと豪語している筋金入りの猛者でした。

寒風吹きすさぶ、駅のホームで彼は言います。「例のものは持ってきてくれたかい?」。俺は答えました。「ああ、持ってきたよ」。そしてカバンの中からPCエンジン版『ワンダーモモ』を取り出しました。

「いいのかい?受験はもう一週間後に控えているんだぜ」
「だからこそさ。後顧の憂いを絶ちたい」
「クリアする気なんだな、『ワンダーモモ』を」
「ああ、モモのバスルームより先を見なくちゃ、俺も先に行けない気がするんだ」

そう、“麻雀クリニッカー”のカツは、受験一週間前にPCエンジン版『ワンダーモモ』を借り、受験までにクリアしようとしていたのだった。

「ジョーンズ。『ヴァリスII』のビジュアルは見たか?」
「ああ、優子ちゃんのヘソがエロかった」
「そうだ。日本テレネットですらあそこまでエロい。ナムコはきっとさらに上を行っているはずだ」
「…うむ、一理ある」

そんな日本テレネットにもナムコにも失礼な話をしつつ、俺はPCエンジン版『ワンダーモモ』を“麻雀クリニッカー”のカツに貸し、心の中でエールを送りました。そう、俺たちは皆、同じ大学志望。大学に行ってもまたみんなでバカやろうぜ。この時は本気でそう思っていました。

仲間の中で、“麻雀クリニッカー”のカツだけが大学に落ちました。

PCエンジン版『ワンダーモモ』を連日徹夜の末クリアしたものの、バスルーム以上の過激グラフィックはなく、放心状態&徹夜明けで受験にのぞんだからと、後年、話を聞きました。

俺はなんとなく「『ワンダーモモ』を返してくれ」とは言いにくく、志望校合格者と不合格で受験が続いている者とでは生活リズムも変わってしまい、その後、在学中は一度も話すことなく卒業。『ワンダーモモ』は借りパクされたままとなったのでした。

PCエンジン版『ワンダーモモ』には、こんな思い出があります。

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