【名作発掘】『ふぁみこんむかし話 遊遊記(前編)』――あばれ猿と、少女の愛と、ぱ~らだいすな大冒険。

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ふぁみこんむかし話の第二弾は、みんなが知っている西遊記をベースにした誰も知らない新しいオリエンタルな冒険物語。それが『遊遊記(ゆうゆうき)』です。スクーターに乗って徳というところからもっとも遠いところにいるような三蔵法師と、暴れ者の悟空、金もうけが好きな八戒、酒癖が悪い悟浄たちが、天竺にあるという、もう働かなくていい有り難いお経を取りに行くという話です。

さあ今宵も、歴史に埋もれしレトロゲームの魅力を紐解いていこう――。

※この記事には少しネタバレが入っています。
※2018年5月3日10時、テキストと画像を追記しました。





ブログ代表
こんばんわ、レトロゲームレイダース/ジョーンズ博士です。

今回発掘した作品は、1989年10月14日に任天堂がディスクシステム用アドベンチャーゲームとしてリリースした『遊遊記(ゆうゆうき) 前編』。『新鬼ヶ島』と同じ『ふぁみこんむかし話』のシリーズ第二弾であり、今回もディスクシステム2枚の前編・後編という構成です。

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どんなゲーム?
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ひと言でいうと、「ダメ人間ばかりの天竺ツアー一行の冒険の中で、主人公の精神的成長物語とヒロインのちょっとセンチな恋愛物語がくり広げられるADV」。

タイトルを見ればお分かりいただけるように、今回は西遊記をベースにしたお話です。『新鬼ヶ島』が『桃太郎』と『かぐや姫』の話を中心に日本むかし話のネタをたくさん盛り込んだのに対して、『遊遊記』は『西遊記』の設定や登場人物を使いながらも、ストーリーの大半はオリジナルです。

もともとの『西遊記』が結構お子さま向けの話ではないため、かなりの改変が行なわれています。三蔵法師がラクするためにお経を取りに行くという不純な動機を持っていたり、酔っ払って小さい女の子を口説きに行ったり。時代考証を無視して大型客船が出てきたり、クイズショーが始まったり。八戒が関西弁をしゃべり、悟浄が田舎弁をしゃべったりします。

ストーリーやグラフィック、ゲームシステムは、前作『新鬼ヶ島』を踏襲。ただし、『新鬼ヶ島』がユーモアを交えながらもシリアス7:ギャグ3くらいの比率だったのに対して、今回はシリアス3:ギャグ7くらいの比率に。ADVとしての謎解きの難易度も下がり、骨太なADVだった前作よりも気軽にストーリーを楽しめる作風にシフトチェンジした印象があります。


【特徴①】前編・後編の二部構成
今回も、前編・後編の二部構成。前編をクリアしないと後編は遊べないという仕様です。

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【特徴②】ザッピングシステム強化
「ひとかえる」コマンドによって、行動する人物&視点チェンジができるシステムは前回同様。ただし今回は登場人物が増え、「悟空」「ちゃお」「三蔵」「八戒」「悟浄」の5人にザッピングできるように。とはいえ、チェンジできるシーンは限られており、フラグ立てが複雑化して進めない…ということはありません。また、チェンジした人物によってバックグラウンドの色が変わるようになり、今は誰を操作しているのかが分かりやすくなりました。

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【特徴③】ポップな演出がパワーアップ
今回は、登場人物がグラフィック部分の枠を越えて、画面全体で暴れまわるなど、演出面が大幅に強化されました。

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そんな『ふぁみこんむかし話 遊遊記 前編』がどのようなお話であるか、ストーリーの一部をご紹介したいと思います。


『遊遊記 前編』のおはなし
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すみきった夜空に、降るような星がきらめく夜。ひと筋の流星が、はるか天空より地上に落ちてきました。これがすべてのはじまりはじまり。

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という話ではなく。

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むかしむかし、東勝神州という大陸に傲来(ごうらい)という国があり、その西のはずれに花果山という山があり、そのふもとに1人の少女が住んでいました。働き者の少女は1日の仕事を終えると、寝る前に、ようやく自分の時間を持つことができます。

そこで楽しんでいるのは、恋愛小説。

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いつかステキなボーイフレンドが現れて、自分を迎えに来てくれる。そんな思いを抱いていたその夜のこと…。ひとすじの流れ星が夜空を横切る…どころか近くの森に落ち、その衝撃波で少女は気を失ってしまいます。その夢うつつの中で少女は誰かの声を聞き、目が覚めると星の落下地点に向かうのでした。

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隕石の中から出てきたのは、元気な一匹の猿でした。人間の言葉が分からないその猿を少女はほおっておくことができず、家に連れて帰り、いっしょに暮らすことにしました。ステキなボーイフレンドとはちょっと違いましたが、少女のひとりぼっちの生活は終わりを告げたのです。

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少女は猿に名前をつけて、いろいろな言葉を教えました。悟空と名付けられた猿は、すくすくと成長し、2人は平穏ながら楽しい毎日を送っていたのです。しかし、幸せはいつまでも続きませんでした。

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森の中で謎の兵士に見つかった悟空。兵士は記憶を無くしている悟空のことを知っており、誰かに報告すると言って姿を消しました。そのすぐあと、悟空は謎のチカラによって空に舞いあげられ、少女と離れ離れになってしまいます。

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悟空を連れ去ったのは、展開にいるお釈迦さまでした。悟空にかつて大きな罪を犯し、はるか彼方に追放されたのですが、この星に舞い戻ってきたらしいのです。しかし、落下の衝撃でアタマを打ったせいか悟空は何も思い出せません。宇宙一の戦闘民族の誇りを忘れてしまったのでしょうか。

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記憶は唐突に戻ります。そう、悟空はかつて牛魔王とともに天界で暴れまわった極悪人だったのです。あと一歩で展開を征服できると思った矢先、彼と牛魔王はお釈迦さまに敗れ、力を奪われ、石に閉じ込められ、宇宙に追放されたのでした。

記憶とともに凶暴な性格まで戻った悟空。ひたすら姿を見せないお釈迦さまに悪態をつきますが、お釈迦さまはため息をついて言います。その石の牢で反省しろ、と。

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一方、少女は。悟空が連れ去られてからずっと空を見上げて心配していると、ある日、お釈迦さまが語りかけてきました。

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お釈迦さまは、少女に悟空の心を改心させる「光の小づち」を探してくるように伝えます。これは、凶暴なねじ曲がった心を癒すためのもの。お釈迦さまは少女の活躍次第で、悟空の罪を許そうと話すのでした。

もう一度、悟空に会いたい。悟空のことをほっとけない。決心すると、彼女は生まれ育った村を出て、長い旅に出るのでした。

そして、数年の月日が流れます。

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(牛魔王によって様変わりした世界。そんな中、旅をするお坊さんがひとり)

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(うっかり封印を解いてしまう三蔵。無茶ぶりで三蔵の人生を狂わすお釈迦さま)

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(砂漠を横断する2人。フラフラの意識の中で悟空は少女の夢を見る)

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(砂漠横断で疲れた2人が入った飲食店は、ぼったくり店だった!)

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(霧の中でボーイズラブを展開する3人)

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(天竺まで楽していきたい三蔵は、豪華客船に乗ることを提案)

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(泣く泣くスクーターを買い取りしてもらう三蔵。)

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(旅をつづけながら少女のことを思い出す悟空。後ろ後ろ!)


こんな風に、三蔵法師一行の旅はつづいていくのですが、次第に思いがけない展開へ。悟空と少女は再会を果たすのですが、少女は記憶と性格をとり戻した悟空に戸惑いを隠せず、悟空はかつての自分と少女といっしょだった頃の自分のどちらが本当の自分なのか悩みます。

その傍らで、三蔵法師はクズ丸出し、八戒は勝手に人のご飯を食べまくり、悟浄は酒グセが悪くやたら人に絡みます。まったく展開が読めないまま、前編は終わりを迎えるのでした(笑)。


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